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ブリーフィング・ペーパー「東京海上・MS&AD・SOMPOにおける気候変動の物理的リスク」を発表

「環境・持続社会」研究センター(JACSES)は、ブリーフィング・ペーパー「東京海上・MS&AD・SOMPOにおける気候変動の物理的リスク~巨大自然災害と異常危険準備金の枯渇シナリオ~」(PDF)を発表した。

ペーパーでは、日本の大手損害保険3グループ(東京海上ホールディングス、MS&ADホールディングス、SOMPOホールディングス)を対象に、気候変動による物理的リスクについて調査を実施。過去2年間の自然災害による正味発生保険金と異常危険準備金残高の推移をもとに、今後、自然災害によってどの程度の保険金支払が生じた場合に異常危険準備金残高が枯渇するのか、を推計した。結果、今後、2018年度に生じた規模の自然災害が2年連続で生じた場合には、異常危険準備金残高が枯渇することが明らかになった。

保険金支払の急激な増加を受け、損害保険各社は2019年10月に住宅向けの火災保険料を6~7%、企業向けの火災保険料を4~5%引き上げた。さらに、2021年1月にも住宅向けを約5%、企業向けを約4%引き上げることが見込まれている。気候変動による大規模自然災害の頻発化を受けて、今後も保険料値上げのトレンドは継続するものと考えられる。

保険契約者に気候変動リスクの負担増を求める一方で、新たな石炭火力発電所建設のような気候変動の悪化に大きく貢献することは、政策一貫性に欠けることになる。損害保険各社は、パリ協定の長期目標と整合した保険引き受け方針が強く求められるだろう。

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