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石炭事業への保険引受方針等に関する世界の保険会社ランキング2020を発表

石炭事業への保険引受方針等に関する世界の保険会社ランキング2020を発表
~東京海上、MS&AD、SOMPOは方針抜け穴が多く30社中18位~

環境NGOの国際ネットワーク「Insure Our Futureキャンペーン(※1)」が世界の大手保険会社30社(※2)の石炭・石油・ガスへの保険引受、投資撤退、および気候変動対策に関するランキング(PDF)を発表した。調査の結果、アクサ、スイス再保険、ハノーバー再保険、チューリッヒ、ミュンヘン再保険など石炭関連事業への保険引き受けを停止/制限する方針を掲げた欧州の保険会社が上位を占めている。2020年9月に石炭火力発電への引き受け方針を発表した日本の大手損害保険会社である東京海上、MS&AD、SOMPOは昨年よりわずかにスコアが上昇したが、方針の抜け穴が大きいことから18位だった(表1参照)。

2017年に Insure Our Futureキャンペーン(設立当時の名前はUnfriend Coalキャンペーン)が始まって以来、石炭関連事業への保険引き受け停止を掲げた保険会社は23社になり、これらの保険会社は元受保険市場の12.9%、再保険市場の48.3%を占めている。2019年11月時点で方針を掲げていた保険会社は欧州・アメリカ・豪州の17社だったが、これまで遅れをとっていた米国・英国・韓国の企業6社が新たに石炭に関する方針を採用し、保険会社が石炭関連事業から撤退していく状況が明らかになった。事業者が新たな石炭関連事業へ保険が手配できない状態になってきている。

日本の大手損害保険会社である東京海上、MS&AD、SOMPOは2020年9月に石炭火力発電への保険引き受け・投融資を停止する方針を発表したが、当該国の政策、エネルギー事情、発電効率等を考慮して引き受ける場合があるとの例外規定が含まれている。また、石炭火力発電への依存度が高い企業や新規石炭火力発電所を計画中の企業向けの保険引受・株式/債券投資、石炭採掘や他の化石燃料関連事業への保険引受・投資については方針を示しておらず、パリ協定の長期目標と整合していない。

Insure Our Futureキャンペーンでは、パリ協定の長期目標との整合性を確保するために、東京海上、MS&AD、SOMPOを含む世界の大手保険会社に対して、石炭事業および石炭関連企業への保険引き受けや投融資の停止、そして石油・ガス事業からの段階的撤退を求めている。

※1:本キャンペーンは保険会社に対して化石燃料関連事業への引き受けや投融資を停止するよう求める国際キャンペーンで、2017年より毎年ランキングを発表している。以前はUnfriend Coal キャンペーンとして石炭部門を中心に活動を行なっていたが、2020年6月より石油およびガス部門も焦点に入れ、Insure Our Future キャンペーンとしてリブランドした。NGO19団体が参加している。詳しくは、https://insureourfuture.co/を参照。
※2:調査の対象となった世界の大手保険会社30社の内27社は損害保険会社および再保険会社、3社は生命保険会社。

本件に関するお問い合わせ先:
「環境・持続社会」研究センター(JACSES)、担当:田辺
メール:tanabe@jacses.org
350.org Japan 担当:横山
メール:taka.yokoyama@350.org

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