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保険会社は深刻化する気候危機の代償を一般消費者に支払わせることをやめるべき。NGO32団体が共同レターにて7つの要請を送付。

今週、保険業界が第1回目のGlobal Sustainable Insurance Summitを米ロサンゼルスで開催する中、Insure Our Futureネットワークの32団体は、世界で化石燃料事業に保険を提供する30社に対し、公正なエネルギー経済への移行を支援するために保険会社が行うべきことを記載した共同レターを送付しました。

昨年、多くの家庭が生活費の高騰に苦しむ中で、オーストラリアやアメリカの一部の地域では、気候変動による災害リスクが増したことを理由に、その地域における住宅の火災保険の提供から撤退する会社が増え、残った保険会社は保険料の急激な値上げを行いました。

例えば、米カリフォルニアでは、度重なる山火事などの災害による保険支払額の急増に伴い、12の主要な保険会社が火災保険の提供を制限しました。この12社には、国内最大手の損害保険会社である東京海上グループも含まれています。これにより、カリフォルニアの住宅所有者は合計で100~320億米ドルの住宅価値の損失の危険に晒されることになります。その一方で、これら12社の保険会社は化石燃料企業に対し、年間合計約1130億米ドルの投資と約36億米ドルの保険提供を行っており、気候変動を助長しています。保険会社は一般消費者ではなく、化石燃料事業者などCO2排出者に気候変動の代償を支払わせるべきです。

Aditi Sen

レインフォレスト・アクション・ネットワーク(気候とエネルギープログラムディレクター)

保険業界はこれまで、深刻化する気候危機に対し、保険料の値上げや危機の最前線にある地域から撤退することで、逃避という対応しか取っていません。これは、気候変動の代償を、排出企業やその支持者たちにではなく、各家庭や他の企業に支払わせているということです。

Peter Bosshard

Insure Our Futureキャンペーン(グローバルコーディネーター)

保険業界が気候変動から悪影響を受けるコミュニティを見捨てる一方で、多くの保険会社は化石燃料の採掘拡大に対し保険を提供し続けており、彼ら自身が50年間警告してきた気候危機は現実のものとなりつつあります。新規の化石燃料事業への支援から完全に撤退した保険会社は、まだ1つもありません。

私たちは、保険会社に対して、以下の点を要請しています。

1.  石炭、石油、ガスの新規および拡張事業への保険引受を直ちに停止すること。

2. 科学的に裏付けされた1.5℃目標と整合する移行計画を発表していない化石燃料部門の新規顧客への保険提供を直ちに停止し、既存の顧客に関しても石炭、石油、ガスの拡張を支援する保険サービスの提供を停止すること。2025年末までに、前述の移行計画を発表していない化石燃料部門の既存顧客への全ての保険サービス提供の段階的な中止を完了させること。

3. 科学的に裏付けされた1.5℃目標と整合する移行計画を発表していない石炭、石油、ガス会社の資産運用および運用委託から早急に撤退し、公正かつ公平で迅速なクリーンエネルギー経済への世界的な移行への投資を拡大すること。

4.  自社の保険引受ポートフォリオにおける排出削減目標について、透明性があり、包括的で、拘束力を持ち、科学的に裏付けされた1.5℃目標との整合性を確保し、設定・採用すること。

5. 増大する気候災害による経済的な損失を保険顧客ではなく汚染者に支払わせるために、化石燃料会社に対する訴訟を検討すること。

6. 顧客が全ての人権を十分に尊重し、遵守していることを確実にするため、強固なデューデリジェンスおよび検証メカニズムを確立し、早急に方針として採用すること。これには、先住民族の権利に関する国連宣言でも述べられているように、開発に際し影響を受ける先住民族の「自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意」(FPIC)の遵守と文書化の義務化が含まれる。

7. スチュワードシップ活動、業界団体などにおける活動、株主および企業市民としての公的な活動について、透明性を確保し、科学的な裏付けのある1.5℃目標と早急に整合させること。

共同レター本文をダウンロードする

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